機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者
MOBILE SUIT Z GUNDAM
A NEW TRANSLATION

MOBILE SUIT Z GUNDAM
 「機動戦士ガンダム」の続編として1985年〜1986年にTVで放映された「機動戦士Zガンダム」を20年後の2005年に三部作として映画化、その第1弾が「星を継ぐ者」です。
 このページではその映画版を見た感想を書いています。尚、劇場版を見る前には映画に内容に関しての情報は殆ど入れない状態で見ています。ちなみにこれは、どの映像作品を見る場合でも同様のスタンスです。
 また今回の映画関連の書籍・パンフレット等も買ってません。
 【2005/7/31】おまけ更新
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機動戦士Zガンダム TVシリーズについて
 実は……、「機動戦士Zガンダム」というTVシリーズの作品をあまり好きではないんです。通して見た際の物としては確かに良く出来てはいるけれど、少し救いがなく、そしてやはり、カミーユに最後まで感情移入出来なかった事が響いています。
 カミーユの事を書きましたが、思えばこれは他のキャラクター達への感情移入度にも同じ事が言えるのかも知れません。  放映時から現在に至るまでの他の富野さんのガンダム作品を並べても自分の中でこの「Z」は上位には来ません。

 そんな作品がトリロジー(三部作)映画化される。
富野さん自身も少し前までは「Z」という作品に対して、色々な場面で非常に「ネガティブ」な発言をしていましたが、そんな富野さんがあらためて「Z」という作品を見つめ直すという事で一体どういう作品になるのかと期待を持ちました。

 これは他のコーナーに書いていますが、あたくし自身としては、もう「ガンダム」という作品そのものを無理に作るべきではないと考えています。特にこれはMSのためだけのサイドストーリーやOVAに対して強く願うものです。
 今回の場合、原作者の原作者による飽くまでも「リメイク」という形ですからいいとは思うんですけどね。
映画 機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者
 さて、そんな劇場版「機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者」、遅ればせながらやっと見に行って来ました。
 全体的な感想としては、思ったよりも普通の総集編としてまとめられていたという感じです。『新訳』と明記した部分についてはこれからぼちぼち行くのだと思いました。
 ただ、映画としては比較的短い時間。旧三部作の「I」よりも1時間弱、それこそディズニー等のファミリー向け作品の様な時間の中で、かなりの情報量を、多いと感じさせずにまとまっていてこの辺は凄いです。
(一部止むを得ず説明的な台詞に変わっている部分があったとはいえ)
 ただ、これはもちろんこちらが「Zガンダム」を熟知している事を差し引かねばなりませんけどね。
 さて、色々と徒然に書いていきます。

 個人的に心をくすぐられたのは、新しい画面における新しい「台詞」いや、この場合『言葉』って言った方がしっくり来ますね。
 今までが「靴に画鋲を仕込まれる」様な感覚のものだったのに対し「靴の中に足ツボを刺激するシートを置いてもらえた」感じです。(笑)

 ジェリド、ライラ、シャア等それぞれが心に触れる言葉を残していましたが、その中でも特に印象深かったのはやっぱり、
レコア・ロンドです。
「食事には全力〜」「大尉がお尻を〜」等々
彼女からは、この3部作の影の主役なんじゃないかと思わせる様な雰囲気さえ感じました。
 「Zガンダム2 恋人たち」において彼女の心情がもっと深く掘り下げてもらえる事を望みますし、またこのタイトルの範疇に入ってくれているといいなあ。
 タイトル部分に登場したのはフォウとベルトーチカのみでしたが、もうちょっと広い範囲のものだと考えています。

 「そこのMP!」
 このシーン及び台詞は無くなるもんだと思ってました。(笑)
もう、TVで初めて見た時はカミーユという人物への
『絶対拭えない第一印象』の一連の行動の決定的シーンでしたから。
 まあ、今でこそ「こんな子もいるよねえ。(苦笑)」と多少は割り切る事が出来るものの、新訳とまで題した映画においては無くなるものと……。
 まあ、これがないとカミーユではないのかも知れませんが。

 シャア・アズナブル
 エマがアーガマに来てから談話室にてシャアについて語るシーンは面白かったですね。多分あのシーンは劇場で見てた人の殆どが心の中でシャアにツッコミ入れてたと思います。(笑)

 ロザミア
 元からいるのに彼女だけ「ブレンパワード」からやって来た様な印象を受けました。(笑)

 パプティマス・シロッコ
 特に初登場シーンでの島田敏さんの声がやけに太い感じになっているのは意図的なものなんでしょうか?
(最初は別人にさえ思う)

 ハヤト
 檜山さんの声は確かに22.3歳の男としてのハヤトとしてはいいのかも知れないけど、脇役とはいえ、ハヤトの声が変わるのには物凄い違和感がありますね。
 あ、カイがハヤトを脇へ連れ込むシーン好きです。(微笑)
TVでは手紙のみでしたけど、時間短縮のためとはいえ、あれは凄く活き活きとして、まるでホワイトベースの中にいるかの様に感じました。

 カツの声が浪川君になってて、
「地下にモビルスーツが〜」の台詞の生意気度が30%ダウンしたように感じた。(笑)
 難波さんよりも角が取れて少年らしくていいかも。

 ふ〜、ここまで書いてきて、自分がいかに「ガンダム」の人間のドラマの方に重点を置いて見ているかという事を実感。
 もちろん、今回の新作画におけるモビルスーツの丁寧な描き方や迫力みたいな物は本当に感じましたし、特にギャプラン、アッシマーの関わる地上空中戦は見所ですけどね。
(MK-IIとガルバルディβの殴り合いも凄いけど)
 あと、エマがアーガマに交渉に来てからティターンズを離反するまでの戦闘が全てまとめられていましたが、この部分だけがやや複雑で解りにくいものになってましたねえ。

 グリプス
 ジム・クゥエルは、富野さんの絵コンテの指定として出ていたのなら、
「ほら、出してやったぞ、文句あるか?」的な物だと思いました。(笑)

 ただ、原作者が関係してない作品でねじ曲げられた物を、後で原作者本人が自分の作品を修正しなくてはいけない事態というのはあまりにも酷いですねえ。
(ジャブローでのアポリーの台詞のカットも含めて)

 階級章
 これはTVの時からメチャクチャでしたけど、襟の階級章がコロコロ変化したり、実際の階級と違う所がきちんと修正されてない点が気になりました。
 新作画部分でさえ、クワトロが大佐になってるシーンがありましたし ライラは小佐のまま。
 細かい点とはいえ、やはり後々に残る物だけに直してほしかった。

 音楽
 序盤はほぼTV版そのままの物が使われていましたが、段々とボリュームアップしたものや、全くの新曲へと、凄くスケールを感じさせる音楽が付いていて嬉しかったです。
 中でもギャプラン⇒アッシマーあたりの曲はじっくりと音楽だけで聴いてみたいですねえ。
 歌も、本当に良くマッチしててエンディングとして使われていた
「君が待っているから」は良かったです。

 「ZG2」
 何処までの部分をやるのかは解らないんですけど、フォウの事を完全決着させるのだとしたら、「地球⇒宇宙⇒地球」というのは画面的にとても忙しいし、思い切って全く違う描き方になるのかなあ?
 フォウの事が3へ続くのであれば気にする必要もありませんが、「恋人たち」と銘打った以上、それはあまりにも中途半端なんですよね。
 とは言えZガンダムに乗り換えないといけないし、どうしても「地球⇒宇宙⇒地球」は避けられないのかも…。

 ひょっとしたら新しいMS&MAなど出る事もあるかも知れませんが、まああまり関係の無い所で上手く玩具屋をダマしてほしい所です。(笑)  映画が全て完結した際、どんな新しい作品となっているのか、色々な面で楽しみです。
映画 機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者 DVD [2005/10/28発売] □映画 機動戦士ZガンダムII 恋人たち DVD [2006/2/24発売]
□おまけ
ザ・テレビジョン Zガンダム開始特集号 ガンダムMk-II表紙
 【7/31】
 映画版のZガンダムとは直接関係ないですけど、おまけ。
 TVの「機動戦士Zガンダム」が放映開始する直前「ザ・テレビジョン」ではZガンダムについて巻頭ページを使って特集しました。その時の表紙がこれです。(クリックで拡大)
 今じゃレモンを持ってないモデルというのは珍しいのかも?(笑)
ちなみに、この号が出てからおよそ2週間後に同じ角川書店発行の「月刊ニュータイプ」が創刊されましたが、それの表紙もガンダムMk-IIでした。

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