ネットワークジャングル
我が家に未来がやってくる
探検!デジタライランド
司会 堀尾正明
ゲスト 千葉麗子、月尾嘉男(東京大学教授)
スペシャルゲスト 鈴木裕(当時セガAM2研部長) 敬称略。
1999年5月1日〜3日、東京ビッグサイトで「ネットワークジャングル2 デジタライランド(DIGITALILAND)」という、最新のネットワーク技術とデジタル機器を集めたイベントが行われました。
そのイベント内容を凝縮してNHKが放送した番組がこれです。
さらに「シェンムー」に特化して同7月に放送されたのが「ネットワークジャングル3」です。
イベント時のshenmue.comのページはこんな感じでした。
ネットワークジャングル2紹介ページ
ネットワークジャングル2のページ
(いずれもWEB ARCHIVE保存版より)
雰囲気だけは味わえると思います。
番組内では色々なマルチメディア関連の事も紹介されていましたが、今回は「シェンムー」について紹介された内容を、今更(2004/3)書こうかと思います。(笑)
ちなみに、ギャラリーの0Pに、このイベントの入場券の画像があります。イベントには行ってませんが、入場券だけ持っているのです。(笑)
シェンムー関連の事は、番組が始まってすぐ「ゲームの森」として放送されました。
「シェンムーの森」ブースに入る前、堀尾さんが、月尾教授に
【堀尾】
「やっぱり先生、あれですよね?デジタル時代を引っ張るのはゲームと言っていいですよね?」
【月尾】
「そうですね、ゲームというと子供の玩具みたいに思いますけどね、今や高性能でね、用途も多様で、もはやコンピュータと同じくらいな画面なんですよね」
【千葉】
「そうですよね、今はもう何でも使えますよねえ、今はね〜。楽しみなんですよ、本当このゲーム!」
と話を切り上げ3人で「シェンムーの森」(ブース)に入っていきました。入口には、シェンムー初期のカレンダーに使われたCGや、キャラクターメイキングに用いられた石膏像が置いてありました。
ナレーションによると、このブースには52台のゲーム機(DC)の試遊台があり、今まさに開発中のゲームの迫力に直接触れる事が出来る事が出来たそうです。
続いて「シェンムー」の画面がビデオで流れます。
ナレーション
『最新のコンピュータグラフィックスを駆使して作られた映像です、現実には存在しない世界が、映画を凌ぐ臨場感で迫ってきます。日本のゲームの技術力は、ハリウッドの映画界からも注目されていて、子供の遊びから、世界に通用するエンタテイメントにまで成長を遂げています』
九龍城、中国の大河を飛ぶ鷹、剃刀を振る孔張喩さん、焚火の前での莎花と涼の会話、ここから「莎花のテーマ」をバックに一章エンディングの船の上の涼、ハイディティールフェイスポリゴンの秀瑛、そして崖の上に立つ莎花と出て来ました。
はい、殆ど「II」の映像ですね。(笑)
まあ、これはその時発表された「What's Shenmue(横須賀)」の映像をそのまま編集しただけなんでしょうけどね。
NHKの方が編集されたんでしょうか?(苦笑)
ブース内を歩く3人。
さすが発表会にも参加していた千葉麗子さん、石膏像の説明をしたりしていました。
【千葉】
「何かゲームが出来る所があるっていうんですよ、行ってみましょうよ! あれです!」
と、歩き出し、試遊台へ。
【堀尾】
「ゲーマーのチバレイさんとしては、もう、垂涎のこのコーナーですね」
【千葉】
「うふ、やりたいです〜」
【月尾】
「じゃあ、腕前拝見」
【千葉】
「いいですか? じゃあ〜ちょっとやってみましょう」
とコントローラーを手にして、
「これは、酔っ払いQTE」
な、何故それの紹介を!?(笑)
見ているこっちがちょっと赤面。(苦笑)
夜のドブ板を歩く涼
【千葉】
「リアルですね、この歩き方が」
【堀尾】
「本当に歩いているみたいですもんね」
【月尾】
「ちゃんと、影もきちんと出てる」
【千葉】
「あ、来ます!酔っ払いが」
【堀尾】
「酔っ払い来ました」
ゲーム内台詞『ヘヘヘッ、ボーイ!』絡まれる涼、画面に表示されるAボタン、ピピピッピ!
【千葉】
「あ、これで、こういう風にタイミングよく入れるんですね」
ゲーム内台詞『何するネ ヘイ ストップ!ボーイ』画面に表示される[←]ボタン、ピピピッピ!
足を掛けられ転ぶ酔っ払い…。
【千葉】
「こうやって入れると、これ、成功!」
【月尾】
「おお〜、成功」感心する教授。(笑)
【堀尾】
「おお〜、なるほど。タイミング外すとどうなるんですか?」
画面はゲーム画面に見入る千葉さんを右横から撮影
【千葉】
「外れちゃうとね〜、あの、やってみましょうか?」
わざと失敗、瓶で殴られる涼
【堀尾】
「ああ〜!ほんとだ! ゲームが変わっていくんですね〜」
物凄く感心する堀尾さん。(笑)
画面はQTE成功時の『ミーのことは、ほっといてくれ』という台詞で酔っ払いが去っていく所で終了。これが全国放送で初めて紹介された「シェンムー」の具体的ゲーム内容です。(苦笑)
そうそう、去っていく酔っ払いに対し、月尾さんが「ああ〜、ヨロヨロ仕方がうまい!」と誉めていたことも書き加えておかねばいけないでしょう…。
画面が切り替わり再びブース内を斜め上からの映像。右側に涼や蒼龍の大きなポートレートが飾られています。
ナレーション
『会場に詰めかけたゲームファンも、この新しいゲームの映像の迫力には圧倒されていました』
だいたい20〜25歳くらいで顔のエクボが印象的な女性
「凄い3Dが〜、なんか、人の目の奥の奥まで、こう、リアルな映像見せられて、驚いたというか感動しました。ここまで技術が来てるんだなあって思って、はい」
目の話をしながら自分の目を指さしてらっしゃいました。
この話を読んでそれ、私です!っていう方がいらっしゃいましたら、ぜひとも御一報を。(笑)
当時のお話聞かせて下さい。
この話の直後紅秀瑛のハイディティールフェイスのデモの瞳がアップになるので、番組を観ている者は、なるほど!と感嘆した事だと思います。
「シェンムーの森」入口にて並んで再び三人登場!
【堀尾】
「ねえ〜〜、綺麗ですねえ〜、面白い!それにねえ〜」
【千葉】
「ねえ〜〜、もう」
【月尾】
「すごい!本物そっくり」
【堀尾】
「リアルだ〜〜」
【千葉】
「顔がすごい!!」
【月尾】
「実はね、この本物そっくり作った秘密っていうのが2つあって、1つはこれなんですけどね」
と、おもむろに先ほどから手に持っていた分解して基盤丸見えのドリームキャストを見せながら説明。
【堀尾】
「何でしょう?」
【千葉】
「凄い、開けてる…」(指さしながら半笑い状態)
【月尾】
「これ、ゲーム機械の中なんです、ここにね、銀色の物が2つあるんですが、ここで早い画(え)を、綺麗な画(え)を作ってるんですね」
とチップを指差し解説。
【千葉】
「な、自動再生てコト?」(「な」は多分「成程」を途中でやめた)
【月尾】
「あの、殆どリアルタイムで画(え)を作ってしまうんです」
画面は別に撮影してあったDCの基盤のアップに切り替わる。
【堀尾】
「こんなちっちゃいですけども、物凄く複雑な構造なんでしょ?」
【月尾】
「これ、中にね、1ミリの1000分の1より更に細い線で一杯回路が書いてあるの」
再び三人の映像に。
【堀尾】
「例えば設計図にするとどのくらいの広さになるんでしょう?」
【月尾】
「あの、この中心の部分がですね、1cm角程度なんですけど、そこだけを目に見える程度拡大すると四畳半にズラっと広がる」
【千葉】
「タタミにズラっと!?」
【堀尾】
「そ、それが、この中に収まっちゃってる!…凄いですね〜〜」
DCに指を指しながら驚く堀尾さん。
【月尾】
「それと、(本物そっくり作った秘密の)もう1つがね、それを動かすソフトウェアがないとね、あの、このハードウェアが素晴らしくても駄目で、ソフトウェアが素晴らしい、それも、画期的な物が開発されたんですね」
【堀尾】
「それではここで、このゲームを開発された鈴木裕さんをお迎えいたしましょう! 鈴木さん!」
よ!御大将!真打ち登場!(笑)
【鈴木裕】
「こんちは〜〜!宜しくおねがいしま〜す、どうも」
体育会系の様なやや不明瞭な挨拶で画面外から登場。やはりNHK出演だったからなのか、珍しくスーツ。
髪型はなぜかちょっぴりリーゼント。(笑)
【千葉】
「もう今回のゲームは、もうキャラの動きもキレイだし、そしてグラフィックも、キレイなんですけど、これはどういう技術…?」
【鈴木裕】
「これはあの〜、今回あの〜、人の顔を何処までリアルに出来るか?って事で筋肉の動きとか、あの、骨の動きとか…」
画面上のテロップには『ゲームの森担当 鈴木裕さん』と表示。ちなみにこの時バックに伊織さんが歌う「莎花のテーマ」が流れていた事から、シェンムーミュージックライブの最中に収録したものと予想されます。
【堀尾】
「骨の動きまで!?研究したんですか〜?」
【鈴木裕】
「筋肉が凄い難しいんですよね、あとは目の輝きとか、目に映り込む周りの景色とか、髪の毛の表現とか」
頬や、顎を手で示しながら説明する裕さん、画面にはハイディティールフェイスのマークや紅秀瑛が登場。
【千葉】
「髪の毛もスゴイの!一本一本サラサラサラサラッってねえ〜」
【堀尾】
「は〜、それじゃあ、しばらく人の顔を観察したりもなさった?」
【鈴木裕】
「何人もですねえ」
【堀尾】
「何人も!? ハハハ(感嘆笑)」
【千葉】
「ふ〜ん、ナルホドね、で、今回あのストーリーも凄く凝ってるんですよ!このゲームね?」
【堀尾】
「らしい〜ですね、人によってこう〜違ってくるって事?」
【千葉】
「そうそうそう!だから、人がやった時に、他の人がやっても同じか?っていうと、そうじゃないんですよね?これ裕さんね?」
【鈴木裕】
「あの〜体験はもう〜、一人として同じ体験はないんじゃなかなと思います」
自信を持って答える裕さん。ええ〜!!?
【堀尾】
「ええ、ええ、例えば一度くらい失敗すると〜、だいたいもう一回始めからやり直したりするじゃないですか?そうじゃない!?」
【千葉】
「それがね、面倒臭かったりするんだけど」
【鈴木裕】
「そういうゲームが多いんですけども、失敗しても違うストーリーが用意されていて、あの〜、やっぱり『解けるんですか?』っていう、解けなくても、それなりのストーリーがあってかえって楽しいかも知れない」
ちょっと言葉足らずな説明じゃないですか?(笑)
【千葉】
「失敗って意味じゃないんでしょうね、きっとね、だからね」
【鈴木裕】
「人生が変わっていくっていうね〜」
【堀尾】
「あ〜、そうかあ」
【千葉】
「失敗って事がない」
【堀尾】
「失敗って言葉がない!?そのゲームソフトには?」
【千葉】
「うん、そうですね」(と頷き、裕さんにも相槌)
【堀尾】
「う〜んなるほど、いろんなパターンで楽しめると」
その時終始頷く裕さん。……い、いいのか?(笑)
【月尾】
「普通の人生と同じですね」
そして久しぶりに口を開く月尾さん、手にはまだDCが。(笑)
【堀尾】
「さあ!それではね、鈴木さんがゲームソフトを開発してる様子を取材してますので、ここに皆さんにご覧頂きましょう!」
開発、フリーバトルなどの様子を多人数でモニターを見つめチェックしている様子が映る。
ナレーション
『日本を代表するゲーム作家、鈴木裕さんは、16年に渡って数多くのヒット作を手掛け、ゲーム業界をリードしてきました』
『今回の作品は、3年掛かり(1999年当時です)の大作、イメージ通りの映像を作り出すために、新しいコンピューターグラフィックスの技術を一から開発しながら取り組んできました』
発表会でお馴染み、堀秀行さんがナレーションの桜のデモ映像登場。
『その一つが、ゲームの中で晴れの日や、雨の日、雪など、天気を自由自在に変化させようというものです。ゲームの展開に応じて、こんな風に快晴の青空からどしゃ降りの雨に瞬く間に変わったりします』
今度はチェイスQTE(やはりこの時点ではテリー)のチェック。
裕さんの手にはやはり煙草が…。
『ゲームの完成度を高めるため、多くのスタッフと一緒に数え切れない程のプログラムを試作し、テストを繰り返して来ました。鈴木さんはゲームの世界を現実の世界に近付ける事で、ゲームを楽しむ人が、もう一つの人生を体験出来る様にしたいと考えているのです』
画面は、莎花を追いかける涼のシーン。
「流れが早いから気をつけて」と莎花の台詞。製品版のシェンムーIIからするとかなり顔の造りが異なりますが、どちらかというとこっちの方が好きですね。
『鈴木さんがこのゲームのために開発したシステムは、ゲーム以外の分野にも応用出来る可能性があるとして、建築や自動車など、他の業種からも関心を持たれています』
画面は、芭月家の庭、そして家の中、製品版とは微妙に間取りが異なる台所に稲さんが…。(BGMは「莎花(インストゥルメンタル)」)
『ゲームの開発から生まれた技術が、私達の暮らしを変える日も近いのです。』
場面は大雪のドブ板へ。(製品版ではこれほど降りません)
『このゲームには、一年の四季の移ろいも完璧にプログラムされています。ゲームを終了するまでには、どんなに早い人でも500時間は掛かる大作です』
クリアまで500時間という言葉はこの時初めて放送され、ネットワークジャングル3においても繰り返し使われました。
再び「シェンムーの森」のブース内。
DCのインターネット体験コーナーの映像。
『ゲームの世界をさらに広げる物として注目されているのが、ネットワークを使った通信機能です。ゲームの世界で人々が出会い、会話をする様な、もう一つの現実がネットワークの中に生まれています』
【堀尾】
「このゲーム機は、インターネットに繋げるというのが大きな特徴なんですね?千葉さん」
と、一人だけ座ってDCでのインターネット体験をしている千葉さんに
話掛ける。ちなみに見ているページはshenmue.com。(笑)
(当然ながら当時はまだDP1の画面です)
【千葉】
「そうですね〜、でもゲーム機っていうイメージというと普通、じゃあコントローラーだけで操作するのか?って感じなんですけど、キーボードがあるので、矢印キーでこうやって進めますから、凄い、簡単…ですよ、操作が。 う〜〜ん、使いやすいですね〜、そうですね、だからパソコンがあるのと同じですからね、家の中に家電として1個こういう物があれば、何でも情報得る事が出来るっていう事ですよね。子供のゲーム機っていう意味だけじゃなくて、大人が、その、占領しちゃうかも知れないですね」
【月尾】
「子供が学校行ってる間、お母さんが一生懸命使えばいいですね」
【千葉】
「そう、夕飯の献立、ね?考えたりとか、あと、遠隔で囲碁とか将棋とかも出来ますからねえ」
【月尾】
「特にね、そういう経験あって、山奥にいる人が囲碁の相手がいないけど、こういうもの使ったらね、日本の強い人と囲碁が出来るって事で大変喜んだりしてるわけですよ」
【堀尾】
「はは〜〜ぁ、じゃあ、とにかく生活のあらゆる面で、こういう物が、このゲーム機……らしき、全体としてパソコンが、役立つ日がもう近いって事ですね」
【月尾】
「そうですね、つまり新しい次の時代の情報端末という理解した方がいいですね」
と、「ゲームの森」は、ここまで。
後は別のジャンルのデジタル情報でした。
えっと、あとがきです。(久々使う〜(笑))
この番組で裕さんが言っていた事は結構実際のゲーム、特に「シェンムー 一章横須賀」と異なっていたため、波紋を広げた様な気がしますね〜。まあ、今となっては愉快な想い出の一つですけど。(微笑)
あの〜、鈴木裕さんは何回「あの〜」って言いましたか?(笑)
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