2000年1月のロンドン旅行

ロンドン滞在編

1月5日[東京珍道中編]へ
1月6日パート1[機内編]へ
1月6日パート2[到着編]へ
1月7日パート1[ロンドンの朝編]へ
1月7日パート2[林檎ロシア編]
1月8日パート1[ロンドン夜逃げ編]へ
1月8日パート2[ルーブル迷宮編]へ
1月8日パート3[ヴェルサイユもののけ姫編]へ
1月9日パート1[日曜朝のひみつ編]

★「ここはロシアか〜〜!!?(笑)」
【2000/1/7】晴れ PART2
 BANK駅に着きました。
今確かめなければならないのは、
今持っている券で乗る事が出来るのか?
割り増し料金はどのくらいなのか?
それ以前に全線開通してるのか?

の3点ですので、確認のためDLR線の駅まで歩かねば!

 ひたすら地下道歩く。途中DLR線のホームがあったけど、今行くべきなのは駅の切符売り場なのだ。さらに歩く、歩く。ギターを弾くストリートミュージシャンの横を興味無さげに通りつつ、それから2、3分でやっと改札を一度出られた。
 早速、姉が切符売り場で、ゾーン1、2のカードを提示して
『greenwich(グリニッチ)』までの料金の事を聞いてみると、駅員さんは、この券のままで大丈夫だということ、そして路線もコンプリートしてるということを教えてくれました。
 良かった〜、余分なお金がいらなくて。(笑)

 駅構内にあった地下鉄路線図を再確認してみると、手元にある物に比べて最新の物だった様で路線も開通していました、それによると見事にギリギリ「ゾーン2」の内側になってDLR線が走っているのが解ります。
「本当にギリギリ内側に入ってんだね」

   さてと、今度は今まで来た長い道を戻らねば。

 さっきすれ違ったギターを弾くストリートミュージシャンともう一度 すれ違うのは何だか気が引けた。(苦笑)
 やっとDLR線のホームに到着!

 あ、電車の車体が地下鉄と違う!チューブよりももっと大きい感じでチューブがかまぼこなら、こっちはようかんかも?(笑)
札幌の地下鉄の車体にも何となく似てるかな?
 座席もそれぞれの側面の窓に面して座るのではなく、前後の進行方向に向かって対面式で座る座席になっていました。
(椅子の向きは変わらない)
 車両はチューブと同じ完全セパレートタイプで、一度乗った車両から他の車両への移動が出来ない様になっています。
   僕達は真ん中あたりの車両の最後尾に進行方向とは逆方向を見る様な形で、通路を分けて2人づつ並んで座席へと座りました。
 BANK駅を出てしばらくすると、すぐに地上に出て高架になりましたが、速度はそれほど早くなく、4、50km/h程度、だから、街の眺めをゆっくりと見る事が出来てとても面白かったです。乗った事無いけど、モノレールってこんな感じなのかも?って思いました。

 しばらくして、ちょうど僕の真後ろの4座席、耳慣れた言葉が響き渡っている事に気がつく、「ロシア語」である。
 お父さん、お母さん、息子2人という構成の様で会話の内容も3割7分6厘くらいなら何となく解ってしまうのだ。(笑)  考えてみれば、ロシア語を勉強していながらここまで生のロシア語をはっきりと聴くなんて事、はじめてかも?
(前に来た時『大英博物館』で15歳くらいのロシア人の女の子とその弟のちょっとした会話なら耳にしたけど)
 前に来た時も思ったけど、さすが国際都市だけあって色々な国の言葉が楽に聴けるなあってあらためて実感。
 ちなみにその4人の会話の内容は、窓から見える景色の「つれづれなる感想」でした。お父さんが、やけに張り切って解説してた感じもします。(笑)

 車掌さんみたいな人が乗車券の確認に来る。
後で解ったけど、このDLR線は全ての駅に改札機など一切無い交通網らしいです。

 車窓から、ロンドンミレニアムイベントの一つ「ミレニアムドーム」が見えて来ました。
 ノースグリニッチにあるそれは、東京ドームの3倍の大きさがあるというドームで、色々な催し物もあるみたいで、行こうかとも思いましたが、入場料も高そうなので結局行かない事に。(笑)
 これから行くのは普通のグリニッチです。

 そろそろ着こうかという時に車両は地下へと入り、テムズ河の下をもぐり対岸の目的地、グリニッチへと到着しました。

 う〜ん、いかにも近郊都市って感じのたたずまいで、民家や商店が多く、そして何よりもロンドン中心部よりも空気が綺麗でした。
 向かうは「グリニッチ旧王立天文台」。
地図で何となくの目星を付けて僕が先頭でやや遅れて3人が着いて来るという形で歩きます。

 アンティークショップの様な店があったりして雰囲気がとってもいいなあ、等と思っていると、色々な部屋の写真の様な物と価格が表示されたウィンドウのある店がありました。
「あ、ここは不動産屋みたいだね」
な〜んてやや物珍しそうな感じで言いながら店の名前を見ると、
『felicity j loyd』
 !!?ふぇ、フェリシティ ジェイ ロイド!?(笑)
なんじゃこりゃ〜〜!!?(大笑)
 と、ひっくり返りそうになったけど、『フェリシティ』なんて名前はもちろん普段使わないので、頭の中だけで全て解決。
 これは戻ってからネタとして使える!と。(笑)

 すごく急な坂を登り続け、やっと小高い丘の上にまで来ましたが今一つ場所が判り難い。どうも地図を再確認すると直線距離ではなく、やや遠回りする様な形で歩いてしまったらしい。
 まあ、着けばいいのよ。(笑)

 何とか、広い広いグリニッチパークまでやって来たけど、本当に本当に緑が綺麗!冬とは思えないです。しかも、可愛いリスが何匹も当たり前の様に木登りしたり草原を走り回っていて楽しそう!

 結果的に、プラネタリウムや天文台へは裏の方からやって来た様な感じになりましたけど、  まあ、らしくていいんじゃない?(笑)
■旧王立天文台(The Royal Observatory)です

 天文台の入口前は展望台の様になっていて、さっすが小高い丘、とっても眺めが良いのです。
 正面には、坂を降りた下の方にある『クイーンズハウス』『国立海洋博物館』や、その向こうのテムズ河が一望出来、さらに右(北側)を見るとさっき電車内から見た『グリニッチドーム』もありその大きさを再認識出来ました。
■ミレニアムドーム(MILLENIUM DOME)

 さあ、天文台の中に入りましょう。
その前にこの天文台の外観ですが、ロンドンの何処にでもある普通の家みたいな感じです。2階建ての家のてっぺんに天文台特有のドームを付け足した様な物で、「天文台」という言葉からイメージされるハイテク感は微塵も感じられません。(笑)
 感じるのは凄く長そうな歴史かな。

 入ってまずやった事と言えば、左横に世界標準時の1000分の1秒単位でのデジタル時計、右斜め後ろに2メートルくらいの巨大な「地球独楽」と共に、子午線をまたいで写真を撮るという、まるで観光客の様な事をしてしましました。
 いや、観光客なんだってば!(笑)

 建物内に入ると、ここの歴史や、昔の六分儀、時計などの古い道具の展示が中心ですね。
 あ、さっきの電車内にいた4人ロシア家族だ!!
やっぱり来る所は一緒なんだね。(微笑)
 30分ほど色々と見て最後に最上階の(と言っても3階相当ですが)ドーム部分へ細い階段を登って行くと細長い望遠鏡が置かれていました。(見えないけど)

 こういう場所には定番のお土産コーナーにやって来ました!
お土産コーナーって本当に色々な物が売っていて楽しいですよね、キーホルダーや鉛筆等の文房具、立派な書籍や季節柄カレンダーもあるし、天文台紅茶(笑)まで、ですけど〜「スターウォーズ エピソード1」の本は違うでしょ〜!?(苦笑)
なんて物までありました。

 しかし、その店に入ってまもなくある事に気が付いたのです。「あれ!??」なんか……、回りから聞こえてくる言葉がロシア語ばかりなのです、それで回りを見たら10代の女の子からおじさんまで狭い店の中の8割くらいの人がロシア人!!(笑)
 女の子のからは、もう椎名林檎ばりの巻き舌全開のRの発音での喋りがマシンガンの様に聞こえてくるんですってば!奥さん。(笑)
 成田空港で聴いたそのまんまの感じです。
(椎名林檎の歌のRの発音はまさにロシア語のそれです)

 よりにもよって何でこんなに……?
「ここはロシアか〜〜!?(笑)」って叫びたくなりました。(笑) 今日あたくしがここに来るという情報を得たKGBの差し金かしらん?(笑)
 まあ、ロシア人だから目立つんでしょうけどね。

 天文台を後にして丘を降りていくと、テムズ河岸の陸地側には帆船カティーサーク号が展示されていました。この船の名前は元々知っていましたけど、やっぱり間近で見る帆船はいいですね。これでマストに帆がついて風になびいてでもいたらさぞかし美しいんだろうなあ。

 さてロンドン中心部へ戻りましょう。
5時に「BondStreet」駅でナオミさんと待ち合わせらしい。乗り換え時間を含めて4、50分かけて着いた時には4時55分。
 地上へ出た直後、僕はこちらへ来てまだ普通の店の中に一度も入っていなかったのを思いだし、出口近くのHMVに40秒だけ入店。(笑)すぐにナオミさんが来たので。

 合流した後は、すぐにバスに乗り「ナショナルギャラリー」の方へ向かう。本当は「ウォレス・コレクション」っていう所へ行く筈で、このBond Street駅まで来たのだけれども、時間もやや遅いという事で急遽予定を変更したみたい。
 そ、そういえばロンドンのダブルデッカーに乗るのはこれが初めて。前来た時は一回も乗らなかったんですよね。
 実際乗ってみた感想は、地下鉄も便利だけど地下と地上の行き来を考えるなら短い距離はバスの方が絶対いいみたい。それに何より街中の様子を見ながら移動出来るっていうのは凄くいいな〜。

 「ナショナルギャラリー」へは10分程で着いた。
でも、ここで姉は、事前に注文しておいた本(おそらくジョージ・マイケル関連の本でしょう)を取りに行くためナオミさんと2人でどっかへ行ってしまった。(笑)
 で、ここの閉館時間である6時に戻って来るまで母、姪、僕の3人で中を見ていてという事でした。
 う〜む、これはアレじゃないのかな?
デパートの9階でやっている催し物会場に付き合うのが面倒な子供が、玩具売り場で待っている情景。(笑)

 まあ、それでもいいや。さあ、中へ入ろう!
ここはヨーロッパ絵画の有名な作品がたくさんあるロンドンを代表する美術館。僕自身はここに来るのは2度目。無料(寄付制)って事もあり 気軽に入れるのがいいね。

 「やっぱり本物の絵は違うなあ」って2年前も思ったけど、その感想は今回も変わらないです。
 この立体感は写真じゃ判らないですね、18世紀や19世紀の人が枠の向こうにいるみたいなんだもの。ゴッホやルノワールの様な絵も好き だけど、やっぱり本物を見て圧倒されてしまうのは写実的な絵かなあ。
 映画のスクリーン並の巨大なサイズの絵には、ただただ溜め息。これだけの物をよく最後まで完成させたものだなあって感嘆してしまう。
 巨大なサイズの絵で特に印象に残ったのは、目隠しをされた若い女性 の傍らに大きななたを持った男がいる絵です。そう、斬首刑寸前の絵でした。その余りの生々しさに息を呑みましたよ。

 こういう所へ来ると最近あまり描いていない絵を描きたくなる衝動に かられてしまうけど長続きしないのが何とも空しい。

 50分なんてあっという間、もちろん全部の絵なんて見られないし、売店とかも見たりしたのでもう閉館の時間。
 こういう美術館は追い出される様に外に出され、時間ピッタリに鍵を かけてしまうのだ。(笑)

 外へ出てもまだ2人は来ていなかった。もう真っ暗で結構寒い、でも北海道の秋って程度なんだけどね。
 6時10分程に2人が来た。
先に夕食をしようという事でナオミさんが安いお店に連れていってくれ るそうだ。
 あ、この道来た事あるなあって思っていると、何と!2年前の2日目の昼食を食べた店!の向かいにある店だった。
 ロンドンではお馴染み「フィッシュ&チップス」の店でメニューは読みにくい字で手書きの物をコピー。(笑)
 ちなみにフィッシュは白身魚のフライ、チップスは日本で言う「フライドポテト」です。
 あたくしと姪はラザニアを、母、姉はそのフィッシュ&チップスを食べました。ナオミさんは何を食べたんだっけなあ?ラザニアだった様な 気も…。(忘れました(苦笑))
 今日は一日中歩いて結構疲れただけに食べ物が美味しい♪
しかも量も多いのでおなかもいっぱい。
 食後にコーヒーを一杯飲み店を出た頃には7時を過ぎていました。

 次はビッグ・ベンを見に行くらしい。
このメンバーの中で見たこと無いのは姪だけだったりするけれど、あれは何度見てもいいからね。
 食事した店のすぐ近くからバスに乗る、目的地まではやはり10分ほど。ロンドンのバスはまごまごしていると乗れないし、降りられないので、降車する少し前には後部出口で待っていた方がいい。
 姉がいつも話している話の一つに、ナオミさんはロンドンバスに乗り損なって救急車で運ばれた。というのがあります。
 でも入院費等の負担は全部自分持ちだったそうです。個人主義の国、 イギリスだけにこういう事も全て自己責任になってしまうみたい…。
 だから気を付けないとね。
 旧型バスのため出口にはドアなんてないため、そこに立っていると自分の体だけ剥き出しになっている様でちょっと恐い。だから手すりを掴む握力はやたら強くなります。(笑)
 でも、ウェストミンスターブリッジの上を走っている時のバス出口で風を受けながら見る景色はとても綺麗でした。

 橋を渡り切った所のバス亭で降りると一番近くに噂の「BAロンドン・アイ」が暗闇の中に見えました。運転前って事もあり、そんなにライトアップされてないため目立たないな〜。でも、やはりこれだけ近くに来るとその大きさが感じ取れますね、乗りたかったなあ……。
 さて、肝心のビッグベンですが、今渡ってきた橋を戻る様な形でテムズ河対岸にあります。あちらは明るいライトで照らし出されているため 目立つ目出つ!(笑)
 今来た道を戻る様な形で橋を渡り少しづつ近付いて行く。夜のビッグ・ベンはライトアップの効果で黄金色に見えます。本当に綺麗!
 ちょうど15分おきに鳴る鐘も聞けて余は満足じゃ。(笑)

 姪と姉はナオミさんが知っているという安い御土産屋さんへ行くみたいだけど、僕と母はもうホテルへ戻ります。今日見る所は見たし、何しろ明日は朝早いもん。

 そう!朝6時19分発のユーロスターでパリへ向かうんです!
だから、ウォータールー駅への移動時間や準備を考えても4時半には起きてなくちゃいけませんもの。
 今日は早く寝なきゃ!。

 ビッグ・ベン前で3人と別れて、目の前にある地下鉄のWestminster駅からホテル方面へと戻りる。
 Baker Street駅で一度乗り換えホテルのすぐ目の前の駅に着いた頃は8時を少し過ぎていました。
 部屋に帰るなり
「疲れた〜〜!」
 とベッドに座り込みました。
ええ、正座したかったんです、やっぱり日本人ですね。(微笑)

 さ〜て、色々準備してはよ寝よう!って時に思い出しました。
あ、あれを確かめよう!とティッシュを一枚引き抜き思いきり鼻をかみます。
「うわ〜、やっぱり黒い!」
そう、ロンドンの特に街中を歩くと鼻の中も真っ黒になります。それだけ排気ガス等で空気が汚れているのだ。
 それを全部吸い込まないのもキミのおかげさ、そう!
鼻毛万歳!!(笑)
……………。
 さ、寝よう、明日は早い。

1月8日へつづく

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