2000年1月のロンドンパリ旅行

花のパリ編

1月5日[東京珍道中編]へ
1月6日パート1[機内編]へ
1月6日パート2[到着編]へ
1月7日パート1[ロンドンの朝編]へ
1月7日パート2[林檎ロシア編]へ
1月8日パート1[ロンドン夜逃げ編]へ
1月8日パート2[ルーブル迷宮編]
1月8日パート3[ヴェルサイユもののけ姫編]へ
1月9日パート1[日曜朝のひみつ編]

★迷宮ルーブルで生き別れ
【2000/1/8】雨時々曇

 まず、このユーロスターが何処に着くのか?
それから調べなければ。いや、「パリ北駅」って事はもちろん解っているんだけど、その場所が何処で、中心部へはどう行くのかが分からない。
 頼りになるのは姉が持ってきたガイドブック
「ブルーガイドわがまま歩き1[パリ]」と、座席備え付けの
「Eurostar MAGAZINE」という雑誌だけ。

 では、パリで何処に行くのか?って事からお話すると、
「ルーブル美術館」
「凱旋門」
「エッフェル塔」
「ノートルダム寺院」
「ヴェルサイユ宮殿」

と、まあパリに行ったら定番というか一度は見てみたい場所ですね。(笑)
 滞在は10時間程度ですし、こんなものでしょう。
本に載っている地下鉄路線図を見ると、パリ北駅は3つのメトロ等が直結している事が分かり、あたくしの桃色の脳細胞はどういう経路で回って行くのかを計算し始めます。(笑)

 まず、第1に行く場所はパリ北駅から乗り換えなしで行けるノートルダム寺院に決定![地下鉄4号線]
そこからセーヌ川とパリの街並みの雰囲気を感じながら徒歩でルーブル美術館まで行き、2時間見る。
 美術館直結の[地下鉄1号線]で凱旋門へ行き、さらに[地下鉄6号線]でエッフェル塔へ。そして、そこから[RER C線]というのに乗り一気にヴェルサイユ宮殿まで。
 ここまでに一切乗り換え無し。か、完璧だ!(笑)
ヴェルサイユからパリ北駅に戻るまでに1回だけ乗り換えをするだけで 非常に効率よく回れそうな感じ。姉と2人で、このプランを考え終えた時、母と姪の方を見たら……、
ね、寝ている!!
おいおい(苦笑)

 イギリスを走っている時は殆ど真っ暗でした。
ユーロトンネルに近付いたあたりではうっすらと明るくなり始めたものの、すぐトンネル内に入り再び真っ暗に。
 いやあ〜、青函トンネルよりも先にユーロトンネルを潜っちゃったよ。(笑)
なんて事を思いながら乗り換えプランを考えていたのです。

 およそ30分の暗闇を抜けトンネルを抜けると、そこは完全に朝になっていたフランスでした。でも、天気が悪く雨が降っているせいもあり薄暗いな。
 この瞬間に時計は1時間進み、車内アナウンスもフランス語が先、英語が先になります。トンネルを出て直後のカレー駅を停車後は列車のスピードも上がり、最高速度300Km!!
 速い!!速いです。
ただ、速いんだけど景色が殆ど変わらないので、そんなに無茶苦茶速いとも感じないんですよね。何せここは農業国、有名絵画で見た様な一面の草原や、農地がずっと広がっているんです。
「これで天気が良かったらなあ」って本当に思いましたよ。

 パリにだんだんと近付いて来ると少しずつ景色も変わり、家も多くなって来ました、意外だったのはイギリスに比べると家が日本の物に近く感じた事ですね。
 車内で買ってきたベルギーワッフル[当然ベルギー製(笑)]を食べながらそんな事を姉と話していました。


 さあ、パリ北駅に着きました!時間は10時23分。
乗ってた時間は3時間ですが、時差を1時間プラスして4時間掛かった事になります。
 えっと、「入国審査」とかって何処でどうするんだろう?
本では車内でとか書いてた気がしたんだけど、そんなの来なかったし…、じゃあ降りてからなのかな??
 とにかく荷物を持って列車を降りました。
このプラットホームの地面がパリかあ!なんか凄いなあ!!
 ホームから駅構内へ抜けて来て…、え?あれ?
入国審査は??(笑)
 そんなものはカケラもありませんでした。
いいのかフランス!?(笑)

 まずは両替!
フランスの通貨は当然「フラン」
 円⇒フランよりも両替効率が良いらしいのでイギリスポンドでフランと交換、半日もいないので必要最小限の1万円相当だけにしました。買い物する暇も無いのよ。(笑)

 両替を済ませた後、少しの間だけチラッと小さな書店に潜り込んだ所、Dreamcastの体験版付の雑誌があったのですが
「欲しいけど方式が違うしなあ」
と、軽く本の内容を確かめた後、恨めしそうにその場を立ち去りました。(笑)

 さあ、切符を買って地下鉄……ああ、こっち流の言い方をすると「メトロ」に乗らなくては。これから買うのは「Paris Visite」というパリ市内の殆どのメトロとSNCF等が乗れる1日乗車券。(ZONE1-3,1-5,1-8の3種がある)
 券売り場と思われる所に行くと結構な行列が出来ていて、それもその筈、自動ではなく人が応対して売っていました。ゾーン1〜3の切符を買ってそれを見るとロンドンの様なカードサイズの物を想像していたのですがそうではなく、普通の小さな切符で、それを入れる紙のケースと、地図や案内が書いてある40P程のパンフレットが付いて来ました。ああ、それで直接応対なのかな?
(仏、英、独、西、伊の五ヶ国語対応)
 切符のケースに自分の名前を書く所があるのでボールペンで記入、さあ、乗るぞ!!

パリのメトロ等の路線図[地図クリックで拡大可]

 パリのメトロ、実は本当に小さな頃から存在を知っていたし、凄く興味があったんですよね、あ、どういう事かって言うと、札幌の地下鉄はフランスのメトロと同じ『ゴムタイヤ』で走っているんですよ!
 自分にとっては地下鉄とはゴムタイヤで走る電車とは全く違う乗り物という認識が完全に定着してます。その札幌の地下鉄のルーツとも言えるメトロについにお目通りが叶うのです!嬉しいなあ。(微笑)
 ホームはあんまり綺麗じゃないなあ、歴史を感じさせるというよりは小汚い。(笑) これに関してはロンドンの方が綺麗かな。
 ついにメトロが到着!
「おお〜!本当にゴムタイヤだ!同じだ同じ!」
車両もちょっと古くさいけど、ここまで来て札幌との共通点を見られると感激!
 フランスのメトロは殆ど半手動ドアなのです。
乗る人や降りる人がいるドアのみ、自分でハンドルというかフックの様な物を外すとドアが開く様になっています。あ、閉まる時は自動。

 中に入ると、席の配置なども含めてまたもや雑然とした感じ。しかも結構混んでるから余計にそう思う。
 あ、でもこの風景、深夜にTVでやってたフランス映画を思い出す! そうそう、こんな感じだった。
 とりあえず座る所が無いので立っていたら、後ろの方で何やらやかましくなった、女性2人が突然演奏を始め歌を唄いだしたの。ひえ〜、流石にロンドンでもこういう光景は見なかったよ。(笑)だけど、ラジカセか何かに繋げている分、ちょっとうるさいなあ。
 2曲ほど唄った後の次の駅でその人達は降りていき車内は静かになりました。僕はというと降りる駅を間違わない様に停車の順番や駅名のチェックを怠らない。(笑)
 最初の目的地は「ノートルダム寺院」。
ノートルダム寺院は、セーヌ川の真ん中にある『シテ島』という大きな大きな中州みたいな所にあるのです。で、降りる駅はそのシテ駅[cite] 。さて、降りる準備をしなきゃ。
 駅で降り、階段を登っていくと出口の所に緑が見える。
どう見てもこれは「植木市」だ!(植木こそ無いが(笑))
へ〜、こんなのもやっぱりあるんだなあ。

 外へ出て、やっと正真正銘のフランス、パリに着いた気がしました。空は雨がすぐにでも降りそうな生憎な天気だけど、今まさにパリにいると思うと本当に不思議だなあ。
 回りの建物と一緒に何枚か写真を撮った後、寺院へ向かうために地図を見て、まずは方向を確認。だいたいの位置を把握しつつ歩きだしました。

 3分ほど歩いた時、 「あ、ルノーマキシ・メガーヌだ!」
RENAUT MAXI
「セガラリー2」にも出て来た車が何気なく駐車してるなんて、流石フランスだ!……って当たり前なんだけど思わず写真撮っちゃった。(笑)[写真クリックで普通サイズへ]
 シテ島っていうだけあってかなり広いなあ。普通に歩いているとここが川の真ん中にあるなんて思えないよ。橋で普通に両岸と繋がっているので車の行き来も多い…
「あ!?」
今気がついたけど、車が右側通行の国に来たのって初めてだよ〜。(UKは左側通行なので)一方通行になっている所が多いんですぐ気がつかなかったけどやっぱり変な感じだなあ。
 多少向きを間違えつつも、7分程歩いてノートルダム寺院の前に到着!!「あれ?これってウェストミンスター寺院?」って思うくらいパッと見の印象が似てる。(笑)まあ、細かい部分を見るとかなり違うんだけどあっちは白いけどこっちはクリーム色の外観、寺院って似るのかなあ?
(ウェストミンスター寺院はロンドンにある寺院で「ダイアナ元妃」の葬儀を行った場所です)

 小雨降る中、徐々に近づいて行くと寺院の前は観光客だらけ。
近寄ってみると、ウェストミンスター寺院よりも一回り以上大きい。やっぱり大きさって直に見ないと解らないもんだなあ。

 中に入ろうとした時、建物の前に座っていたおばあさんが手を差し出してお金を恵んでもらおうとする仕草を見せる。
「……ああ、ここにもいるんだあ…」
ロンドンでもそういう経験はありましたけど、このおばあさんが一番今まで見た中で一番の高齢かも……。
なんか哀しくなりつつもそのまま中に入りました。  中は歩く部分だけ僅かな照明があるだけで真っ暗に近い状態で、高い位置にあるステンドグラスがより一層綺麗に見えました。
 他には彫刻や絵画が少し展示されていましたが、やはり寺院なのでたくさんの椅子と、一番奥にある祭壇があるくらいですね。
 なので20分程度でそこを後にしました。本当は上に登ったりもっと奥も見られるといいんですけどね。

 小雨は相変わらず降っていますが、次の目的地の「ルーブル美術館」に行くために歩きます。やや泥水の色をしたセーヌ川を見ながら橋を歩き対岸に着きました。雨さえ降ってなければもっと綺麗だったのかなあ?季節のせいもあるんだろうけど、ちょっと残念。
 テムズ河も大きいけどセーヌ川も随分大きいなあ。シテ島から渡っただけなので川の半分って事になるんだけど、それでも十分な広さだもん。
 対岸に着いた後でしばらく川の方を見ていると下流の方から遊覧船がやってきたので一枚。(街角の風景も一枚)(笑)
セーヌ川
□セーヌ川の遊覧船
パリの街角
□パリの街角

 ルーブル美術館までは結局30分くらい掛かったのだけど、パリの雰囲気を直に感じる事が出来て良かったなあ。ただ、店に入ったのは途中姪のカメラの電池を買うために入ったお小さな土産店だけ。
 で、このルーブル美術館、美術館の敷地に入ってから10分掛かってやっと入口に到着するくらい広い!!その入口は四方を建物で囲んだ真ん中の広場の様な所にガラスのピラミッドがあり、そこから入る事になっているみたいです。
 そこで券を買ったりするのかと思いきや、そこは手荷物のX線検査をするゲートでした。へ〜〜〜、大英博物館でもナショナルギャラリーでもそんな事してなかったのに、凄いなあ。  それを通過した後はエスカレーターで地下まで行き、比較的自由に動ける大きな広場の一部で券を買う様ですね。その広場の真ん中には各国語の案内パンフレットが大量に置かれているスペースがあったので、日本語、英語、中国語等7ヵ国語くらいの物を一気にもらっチャイました。クケ〜ッ。(笑)
 そのパンフレットによると、制作世紀や彫刻、絵画などのカテゴリーで建物ごとに分類されている様で、何を見たいか決めてから行かないと 本当に大変そうでした。全部じっくり見ようとしたら一週間くらい掛かるんじゃないのかなあ?

 45F(フラン)、その時のレートなら日本円800円強で券を買う。これって時々日本でやるような美術展とかに比べると安すぎる!そりゃあ、ロンドンの大英博物館や、ナショナルギャラリーは無料だけど、この規模でこの金額なら本当に安い。それに、3時を過ぎてからだと、この入場料が大幅に安くなるし、美術を勉強している学生であるならいつ来ても無料なんですってよ、奥さん。(笑)

 何を見るのか?
って事になると、より限られた時間でどうしても見るとなるとやっぱりダ・ヴィンチの「モナリザ」は外せないかなあ。(笑)
 あと、ミロのヴィーナスの様な彫刻も立体として見られる事なんて滅多に無い事なのでぜひ実際に見てみたいし。

ルーブル美術館公式サイト
ルーブル美術館公式サイト(日本語版)

 ルーブル美術館は、「リシュリュウ翼」「デゥノン翼」「シュリー翼」の3つの区画からなっていて、さらにそれが半地階〜3階までの4層展示、非常に巨大です。
ルーブル区画図
 その3区画からの中心となるここからは何処から見ても良い様にそれぞれの入口に行ける様になっていました。
 まずは「シュリー翼」と呼ばれる区画から入って行き一番近そうな ギリシャ彫刻がある所に向かいますね。しかし、なかなかスムーズに行けない!半地階というちょっと複雑な場所であるのと同時に、かなり複雑な繋がりになっているため多少迷いましたよ。(苦笑)
 何とか「ミロのヴィーナス[アフロディテ]」を始めとする古代ギリシャ美術のスペースへ到着!!辺りには巨大な彫刻がたくさんで本当に圧倒されました。しかし、手荷物のX線検査がある割には中での写真・ビデオ撮影は自由でいいなあ。あ、もちろん触っては駄目ですけどね。
 こういう石像に囲まれると、「聖闘士★星矢」を思い出してしまうのは……間違っているのかしら?(笑)
 アルテミスの石像を見て「FF」に出てくるアルテミスの弓と矢を思い出すのは…間違っているのかしら?(笑)

 さて、次はやはり「モナリザ」か。
今度はただ2階に上がるだけだったので簡単なのだけど、見取り図で見る距離に比べて、実際には本当に広く結構掛かりそう。途中にある絵だって見たいしね。
 モナリザがあるのは、フランス絵画の大作(それこそ畳30枚くらいの大きさの物も)や13〜17世紀のイタリア絵画などがある「デゥノン翼」の2階。
 あまりにも絵が多すぎて一枚一枚をじっくりと見られないのが本当に残念だなあ。と思いつつも、ついに「モナリザ」のある部屋まで到着! 流石というか、30人くらいの人だかりが出来ていて、しかも普通の絵と違い、ガラスケースの様な物が被せてありましたよ。
「これが本物かあ〜、子供の頃から見てきた本物だなんて凄いなあ」
等と思いつつも、うっすらと頭の中に「名探偵ホームズ」[宮崎峻監督の犬版(笑)]のモリアーティ教授が浮かんで来てしまったのは……間違っているのでしょうか?(笑)
 さあ、後は時間までサ〜ッと絵を見られるぞ。
そんな感じで「シュリー翼」の3階へ行き、さり気なく展示されているルノワール等のフランス絵画を楽しみつつ、まだ行っていなかった「リシリュウ翼」に足を踏み入れました。
「…あれ?美奈は何処に行ったの〜? ついさっきまでいたのにな」
いつの間にか姪だけがいなくなっていたのです。
こんな所で…、どうすんの!?(苦笑)
1月8日パート3へつづく

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